【コラム】 モノのインターネット(IoT)も大手企業の役目なのか。

まず、誤解がある。

ある事物をインターネットに接続させることさえすれば、いわゆる「モノのインターネット」になるという誤解。
ウェブでIoT、スタートアップ、モノのインターネット、起業などの検索語を入力すると、華やかな美辞麗句で飾られた書き込みがすごく出てくる。「モノのインターネットにスタートアップ育成」、「IoTスタートアップを始まる方法」、「熱いモノのインターネット起業熱気」など、とても熱い。これは、政府も同じだ。モノのインターネットこそ小資本で起業が容易な未来産業であり、我々は創造的に何だかんだ…。

しかし、
IoTは本当に小資本のスタートアップにふさわしい事業だろうか。
結論から言えば、今はそうではない。 それではいけない。

IoTは「三位一体」

1) デバイス、2) アプリケーション、3) クラウド、 この3つの要素が合わせてIoTを成している。
アプリケーションという言葉はただ「インターネット」と読み替えても差し支えない。最近のアプリケーションは、ほとんどがウェブアプリケーションだから。名前から「モノのインターネット」なので、物もインターネットも必要だ。したがって、1)と2)は当然に見える。「事物」が「インターネット」より先に出てきて、実物が目に見える具体的なものであるため、一層重要に見えるが、実は「インターネット」がより重要だ。

言い換えれば、ドローン産業と同じだ。ドローンは目にすぐ見える物であるため、「ドローン産業」といえば、誰もがドローンという製品だけを思い浮かべる。それで、もし中国などの国家でドローンを安い値段で作る方法を探した! とすれば、他の国では価格競争力を備えることに対して悩んだりするのではないかと考えがちだ。
しかし、ドローン産業の本質は物を安い値段でたくさん売ることではない。3次元の座標上の特定の位置にドローンが安定的に位置して移動するようにすることとそれに対する管制、そして安全である。
単に物を安価に作ることに対して競争しなくても良いという意味だ。

それで、1と2)はさておき、3)クラウドは? それもまた必須要素だ。事物から収集した情報をクラウドを通じて、取りまとめて総合して分析することで、製品の性能を改善し、使用者に必要なサービスを提供する。それがなければ、モノのインターネットとはただ物に電話器を通してつけたり消したりできる遠隔スイッチを付けることに過ぎないから。

IoTセキュリティも「三位一体」

1)デバイス、2)アプリケーション、3)クラウドがIoTの必須要素であるため、
1)デバイス・セキュリティ、2)アプリケーション・セキュリティ、3)、クラウド・セキュリティもまたIoTセキュリティの必須要素だ。

問題は、その3つのセキュリティがお互い異なる性質の技術を要求するため、技術研究開発の性格もまた異なるが、大手企業の規模なら、それぞれ専従チームを運営するはずなのであまり問題はないが、小規模企業の場合は耐え難いことだ。すべてのチームを組織してしまうと、すでに小規模の企業ではない。それで、
IoTは、本当に小資本スタートアップにふさわしい事業だろうか?

今は、そうではないということだ。むやみに飛びかかる事業ではない。また、それではいけない。IoTは、従来のありふれたITとは違って、人と直接接触する「モノ」を扱う技術であるため、安全問題はさらに致命的だ。したがって、IoTは「セキュリティを先にしておいて、セキュリティが完備された後に連結する」ということが大事だ。情報だけがやり取りされる中で発生するIT事故ではお金を失ったり、会社を相手にして法的論争に巻き込まれたりする。こういう事故は人の命が危なくなるIoT関連の事故と比べると、むしろかわいいレベルの事故とも見える。

1)デバイス・セキュリティ、2)アプリケーション・セキュリティ、3)クラウド・セキュリティなど、IoTセキュリティの三位一体のある要素も決してずさんにしてはいけない。なのに、簡単に「IoTは小規模起業!」などを騒ぐごちゃごちゃする風土が実に心配だ。その中で家庭用IPカメラなどのIoTデバイスからはあらゆる事故が起きている。本当に危険な状況だ。
だからといって、あきらめなければならないのか。IoTまで大手企業の役目ということか。幸いなことに、そうではない。

IoT開発はIoTプラットフォーム

IT関連の物語によく登場する「プラットフォーム」という用語は、乗り場という本来の語意を超えて、システムを構成する骨格の意味として様々な産業分野でよく使われる。多くの人々が簡単に利用する共用基盤施設ぐらいの意味だが、例えば、工場の生産過程全般からどんなITアプリケーションが動作する基礎となるOSなどの環境まで全般的に示す言葉である。

いわば産業工学的な合理の流れによって定着された用語だが、大量生産に向けた手続きそして手続きの自動化に悩む過程を通じて、概念がそれぞれの分野で徐々に具体化された。これによって、最近はWindows、macOS、アンドロイド、iOSなどの運営体制やInternet Explorer、chromeなどブラウザもプラットフォームと呼ばれていて、開発上の便利さのため、ある言語環境を提供してくれる補助アプリケーションも開発プラットフォームと呼ばれる。

IoTにもそのようなプラットフォームがある。IoTが今日のIT業界の最も熱い話題であるだけに、複数の会社が競争的に優れたIoTプラットフォームサービスを提供する。そのようなプラットフォームを利用すれば、小さな会社も必要なすべての技術力を自体的に保有しなくても、HTTPなどのプロトコルを利用してデバイスを他のデバイス、そしてウェブサービスに接続して、データをやり取りしながら相互作用し、収集したデータを処理して、その処理結果に基づいたサービスを運営するなどのモノのインターネット事業を見事に運営することができる。